逆流性食道炎の基礎知識
2017年09月01日更新 2017年04月26日公開

逆流性食道炎の主な症状

逆流性食道炎における「胸焼け」などの症状は、日常的に起こり軽視されがちです。けれども、他の病気が隠されていたり、重大な病気の原因となることもあります。ドクター監修の記事を参考に、逆流性食道炎の症状を中心に、解説していきます。

監修医師

この記事の監修者

日常的に起こる症状のひとつに「胸焼け」があります。これは逆流性食道炎という、れっきとした病気の症状です。逆流性食道炎そのものが、重大な病気ではないのですが、放置して慢性化することによって、他の病気を招いてしまうこともあります。また、同じように胸の痛みを訴える病気の中には、命に係わる重大な疾患もあります。逆流性食道炎に対する、しっかりとした知識を身につけておくことが大切です。

逆流性食道炎とは

逆流性食道炎とは、食道の粘膜に炎症が起こる病気のことを言います。食べ物は口から食道を通り、胃の中で胃液によって消化されます。健康な状態では、食道から胃へ通じる道には下部食道括約筋という弁があり、一方通行になっています。したがって、食べ物や胃酸が食道へと戻ることはありません。逆流性食道炎の場合には、この弁が損傷しているか、なんらかの原因により働かないために、消化途中の食べ物や胃酸そのものが、食道に逆流してしまいます。食べ物を溶かすほどの強力な胃酸は、逆流して食道の粘膜を溶かしてしまいます。そして、食道の粘膜に炎症が起こり、「胸焼け」や「呑酸」などの症状が起こるのです。

逆流性食道炎の原因

逆流性食道炎は、日常のささいなことを引き金に起こりがちな疾患です。すぐに重大な事態を招いてしまうような疾患ではないため、症状が治まるとそれだけで安堵してしまいます。そのため、原因を追究することなく再発をくりかえす方も少なくありません。逆流性食道炎の発症をくりかえしているうちに、炎症ががん化することもあるので注意が必要です。日常の中に潜む原因を、しっかりと突き止めて、再発を防ぐことが大切です。

食後の姿勢

お腹いっぱい食べた後は横になりたくなるのは、誰もが思うところです。しかしながら、「食べてすぐ横になると牛になる」という諺(ことわざ)にあるとおり、肥満化する傾向にあります。なにより、四足歩行の牛と違って、横になることで消化途中の食べ物や胃酸が逆流してしまうことがあります。逆流性食道炎発症の原因のひとつです。食後3時間ほどは横にならない方が、発症のリスクを避けることができます。

ストレスによる逆流性食道炎

強いストレスは自律神経を乱し、さまざまな神経を過敏にしてしまいます。胃の中においては過敏に反応した神経が胃酸を過剰に分泌させます。また、食道の粘膜も過敏になり、少量の胃酸が入り込んだだけで過剰に反応してしまいます。ストレスというものは、精神的な病だけでなく、身体のさまざまな部位に影響を与えてしまいます。できるだけストレスを溜めないような思考や生活習慣、レジャーなどで発散させることが必要です。

食べ物の影響

日本において、逆流性食道炎の発症件数が増えてきたのは、食生活の欧米化が影響しているといわれています。かつては、米と野菜・魚中心の食生活を営んできた日本人ですが、欧米の文化が入ってくると、肉や乳製品などタンパク質・脂肪の摂取する機会が著しく増えました。このタンパク質と脂肪の過渡な摂取が、逆流性食道炎の発症に大きく影響します。脂肪の大量摂取は、胃酸の分泌を促し、胃酸過多の状態になります。また、胃から食道への逆流を防ぐための弁、下部食道括約筋が緩んでしまいます。さらに、タンパク質を摂りすぎると、胃の中での消化時間が長くなり、胃酸の過多や逆流の可能性が大きくなります。その他、刺激物の摂取や過渡な飲酒をされる方、過食気味の方も逆流性食道炎を起こしやすいといわれています。

タバコの影響

タバコは、逆流性食道炎のみならず、あらゆる疾患の原因となります。愛煙家の方は、そうでない方に比べて胃液の酸性度が高く、下部食道括約筋が緩いといわれています。血液の循環も悪くなるため、ひとたび炎症を起こすと治りにくい傾向にあります。ストレス解消のために、タバコを必要とされる方も少なくないのですが、願わくは、他の方法でストレス解消を図ることをおすすめします。

逆流性食道炎の具体的な症状

逆流性食道炎の代表的な症状には「呑酸」と「胸焼け」があります。「呑酸」とは、のどや口の中に、すっぱいものがこみ上げてくる症状です。「呑酸」は、逆流性食道炎にのみ見られる特有の症状です。「胸焼け」の場合、「胸元がチリチリと痛む」「胸に何かがせり上がってくるような感じ」などの症状が現れます。

逆流性食道炎を発症すると、食道に炎症が起こっているため、食べ物を飲みこむことが困難になります。そのため、食べ物が食道でつっかえてしまい、咳や嘔吐の症状が出ることもあります。また、胃酸の逆流がのどの近くにまで達してしまうと、のどの粘膜を傷つけてしまいます。そのため、声のかすれやのどの痛み、咳などの症状が現れます。

逆流性食道炎と症状が似ている病気

逆流性食道炎の症状のひとつに「胸を締め付けるような痛み」があります。同じように「胸を締め付けるような痛み」を感じる病気に、「狭心症」と「心筋梗塞」があります。また、逆流性食道炎から、食道がんを発症することもあります。単なる「胸焼け」「いつものこと」と軽視せずに、適切な対処をしなければなりません。何よりも食生活、生活習慣の見直しが大切です。

「逆流性食道炎の基礎知識」の記事一覧

「逆流性食道炎の基礎知識」の記事一覧 >>

記事カテゴリ

fem.

fem.ヘルスケアが

もっと手軽にアプリで登場!

今日できる。今すぐできる。

健康・キレイ情報を毎日おとどけ。

app-store
google-play