逆流性食道炎の基礎知識
2017年04月24日更新 2017年03月31日公開

胸焼けの症状

胃から酸性の胃液が中性の食道へ逆流することで起こる逆流性食道炎。胸焼けはその逆流性食道炎の症状として、もっとも多いものになります。不快な胸焼けの症状を改善するために必要なことについて、ドクター監修の記事でお届けします。

胃から食道への逆流によって起こる食道の炎症である逆流性食道炎。胸焼けはもっとも多くあらわれる逆流性食道炎の症状です。胸焼けの原因や胃もたれとの違い、改善方法などご紹介します。

逆流性食道炎とは

胃の中のものが胃液と一緒に、また、胃液のみ胃から食道へと逆流し、食道が炎症を起こしてしまう病気を逆流性食道炎(ぎゃくりゅうせいしょくどうえん)と言います。普段、私たちが食べたり飲んだりしているものは、口から食道に入り、その下にある胃へと運ばれていきます。この流れは、嘔吐(おうと)などしない限り、常に口から胃への一方通行となっています。食道の一番した、胃との境目となる部分には、噴門(ふんもん)とよばれる場所があり、そこには下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)という筋肉があります。この筋肉は、普段は閉じていますが、食道に食べ物や飲み物が入ると緩んで、食道から胃へと食べ物や飲み物を送り込むというシステムになります。

胃の中には、胃に入ってきた食べ物や飲み物を消化したり、ついでに取り込んでしまった菌を殺菌したりするための胃酸を含んだ胃液があります。この胃酸は、pH1.0から1.5という、非常に強い酸性の消化液なので、胃の中は常に一定以上の酸性に保たれた状態になっています。そして、胃には、この強い酸性の胃酸から胃自体を守ってくれる防御機能をもっているため、普通の状態ならば、胃酸によって胃が溶けてしまったり、炎症を起こしてしまったりすることがありません。しかし、食道は、胃とは違い、pH7.0という中性の状態に保たれています、そのため、逆流性食道炎によって、胃の中の強い酸性の胃液が食道へと逆流すると、中性の食道は炎症を起こしてしまうのです。

食道が炎症を起こすと、すっぱい胃液の匂いがする口臭や、鈍酸(どんさん)、のどの違和感、咳などのほか、胸の痛みや、胸焼けの症状を引き起こしてしまいます。

逆流性食道炎の症状のひとつ胸焼け

逆流性食道炎の症状のひとつである胸焼けとは、強い酸性の胃液が食道へと逆流することで、文字通り、胸が焼けるような感じを覚えることです。この胸焼けの症状は、逆流性食道炎の症状の中では、もっともよくみられるものになります。逆流性食道炎の原因はいくつかあると考えられています。

下部食道括約筋のゆるみ

年を重ねると、下部食道括約筋がゆるんでしまい、胃の中のものが食道へと逆流しやすくなります。この下部食道括約筋のゆるみは逆流性食道炎の原因としてもっとも多いもののひとつになります。

食道裂孔ヘルニア

胸部と腹部を仕切っている横隔膜(おうかくまく)には、食道がとおる食道裂孔(しょくどうれっこう)と呼ばれる部分があります。横隔膜を挟んで、上の方には食道があり、下の方には胃がある構造になっています。しかし、この横隔膜の食道裂孔に隙間ができてしまい、横隔膜より下にあるはずの胃が、食道がある横隔膜の上の方に一部飛び出てしまう状態を「食道裂孔ヘルニア」と言います。この状態になると、食道裂孔による締め付けが弱くなってしまうため、胃の中の物が食道へと逆流しやすくなってしまうのです。

胃内圧の上昇

女性の場合は、妊娠するとお腹周りが大きくなるので、それによって胃が上に押し上げられ、胃の中の物が逆流しやすくなります。また、妊娠が原因だけでなく、単に太っただけでも、お腹周りに脂肪がつきすぎたり、前屈みの姿勢でいたりすると、胃に負担がかかりやすくなり、やはり、胃の中の物が押し上げられやすくなり、逆流してしまう場合があります。

食べ過ぎ

食べ過ぎによる胸焼けは、もっともよく感じる胸焼けの症状かもしれません。食べすぎは食べた物が胃から食道へと逆流しやすくなる原因につながります。胃から食道への逆流が繰り返し行われると、食道の中に逆流した食べ物と混ざっている胃酸や消化酵素まで、長い時間、食道の中に留まることになります。この胃酸や消化酵素によって食道が傷つき、炎症を引き起こします。

胸焼けと胃もたれの違いは?

胸焼けと胃もたれは、一見似ている様で全く違います。胸焼けが逆流した酸性の胃液によって、中性の食道が焼けるような感じがするのに対して、胃もたれは、食後いつまでたっても、胃の中に食べ物が留まっているような、胃が重く感じるような不快な症状をさしています。

胃もたれの主な原因は、通常なら胃の蠕動(ぜんどう)運動により、食べた物が胃液と混ざり合って消化されたのち小腸に送り出されるはずが、さまざまな要因でこの蠕動運動が低下して消化が上手く進まず、食べ物が長い時間胃に留まってしまい引き起こされます。

胃もたれを引き起こす主な原因としては、よく噛まないで早食いしたり、食べ過ぎたりなどで、胃自体に負担をかける行為や、加齢や運動不足によって胃の排出機能自体が弱くなること、またはストレスによって自律神経がみだれることなどがあります。また、胃下垂や、慢性胃炎、胃潰瘍などの疾患が原因の場合があります。

胸焼けの対処法

胸焼けを起こさないようにするためには、まず、逆流性食道炎が起こらないようにしなければなりません。薬や手術によって、逆流性食道炎を治療する方法もありますが、日頃の食生活や生活習慣を改善するだけで、胸焼けを引き起こす逆流性食道炎を緩和することも可能です。

胸焼けの原因になる食品を控える

脂肪分の多い物や、甘いお菓子、カフェイン、アルコール、香辛料、タバコなどは、胃酸の分泌を増やしやすくなります。刺激になりそうな食品や嗜好品はなるべく避けましょう。

食後すぐは横にならない

食後すぐ横になると逆流を起こしやすいので、1〜2時間は我慢しましょう。また、寝る直前の食事は避け、夕食もこってりではなく、あっさりとした少なめの量を心がけましょう。眠るときは、布団の下にクッションなどを差し込んで、上体を少しだけ高くしてやると、逆流しにくくなります。

腹圧をあげない

ベルトやボディスーツで腹部を締めつけると、腹圧が上がり逆流しやすくなります。また、重い物を持ったり、前屈みになったりする行為も腹圧をあげることになります。

食べ方に気をつける

食べすぎや早食いは、胃酸の分泌をうながしたり、胃の中の圧を上げたりしやすくなります。特に夕食に食べすぎや早食いをすると就寝時に胸焼けを覚えたりもするので、注意しましょう。

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